ノロウイルスに怯えずに牡蠣を美味しく食べるなら知っておきたい「生食用」と「加熱用」の違いとは?

冬の寒い時期になると食べたくなるのが牡蠣。
七輪で焼いて食べるのが本当に美味しいですが、しっかり火が通っているかも確認しておきたいですよね。
せっかく美味しく食べたのにあとで辛い思いはしたくないですから。

そう、牡蠣は美味しいですが、牡蠣と言えば怖いのが「ノロウイルス」です。
私も里帰りしてきた先輩と一緒に牡蠣小屋に行ったんですが、先輩は翌日から地獄のようだったそうです。(ちなみに私はケロッとしてました笑)

牡蠣小屋に限らず冬場は牡蠣を食べる機会が増えると思いますが、「生食用」と「加熱用」の2種類があるのをご存知ですか?
ノロウイルスで苦しまないために「生食用」と「加熱用」の違いを理解しておきましょう。

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「生食用」と「加熱用」の牡蠣の違い

牡蠣は他の二枚貝類と違って筋肉部分だけでなく、内臓部分も生で食べる習慣があることから衛生面で特に注意する必要があります。
そのため、生牡蠣による食中毒を防止するために「生食用」の牡蠣には規格基準が定められており、基準に合格した牡蠣が「生食用」として販売されています。

生食用の牡蠣の基準

 項目基準
生食用かき成分規格細菌数50,000/g以下
E.coli最確数230/100g以下
腸炎ビブリオ最確数100/g以下
保存基準保存温度(冷蔵)10℃以下
保存温度(冷凍)-15℃以下
採取海域加工基準大腸菌群最確数70/100ml以下

 生食用かきの出荷シーズンには,県の指導に基づき,生産者団体や出荷者団体が毎週1回から2回,広島湾を7つの海域に区分して,かきのノロウイルス自主検査を行っています。検査結果については⇒良質美味広島かき ’ 検査結果で陽性となった場合は,加熱調理用かきに切り替えて出荷し,次回以降の自主検査で陰性と確認されるまで,生食用かきとして出荷されません。

参考として牡蠣で有名な広島県の生食用の基準を引っ張ってきましたが、菌の数や保存温度など細かく規定されています。
といっても、私たちは牡蠣の養殖をしているわけでもありませんので、こんなのを見てもピンときませんよね?
生食用の牡蠣についてもっと簡単に説明するとこんな感じになります。

生食用牡蠣の簡単説明

  • 指定海域:採取したかきをそのまま生食用かきとして出荷できる海域
  • 条件付指定海域:採取したかきを人工浄化(おおむね20時間換水することによって生食用かきとして出荷できる海
  • 指定外海域:加熱調理用かきしか出荷できない海域

鮮度の問題で生食用と加熱用に分類されているのではなく、取れている海域によって生食用として販売できるかどうかが決まっているんです。

どうして取れる海域によって生食用として販売できないのか?

牡蠣は1日300リットルもの海水を吸い込み、その成分を吸収し成長しているので、その海域の海水に含まれる様々な成分を体内に保有することになります。
河口など湾や沿岸の方が山や河川からの栄養分やプランクトンが多いため美味しいのですが、1日に300リットルもの海水を飲み込むということは、牡蠣が1日300リットルの海水を濾しているということになるため、その海域の海水に含まれる様々な成分を体内に保有することになります。

要するに、体の中に栄養分と一緒にノロウイルスなども蓄えてしまうということです。
このため、検査基準を満たさなかったり、指定海域外である場合は加熱用として販売されます。

さらに、指定海域で取れた牡蠣で検査基準を満たしていたとしても滅菌洗浄を行うため2~3日間断食をさせるので、身が痩せて水っぽくなることもあります。

加熱用の牡蠣を食べる時のチェックポイント

厚生労働省が発表しているガイドラインではノロウイルスなどを含んでいると疑われる食品は中心部が85~90℃で90秒間以上の加熱をすれば、ウイルスの感染性はなくなるといわれています。

中心温度が85~90℃で90秒以上って何度の油 or お湯に通せばいいかよくわかりません。
熱湯に2分、油なら180℃で4分間という記載もありましたが、本当にそれで大丈夫かは確信が持てませんのであくまで目安程度ですね。

ご自宅で牡蠣を加熱処理して召し上がる場合は中心部が85~90℃で90秒間以上で加熱を意識して、しっかりと火を通してから召し上げるように注意ください。

まとめ

牡蠣に生食用と加熱用があることは知っていましたが、鮮度によって分けられているのかな?と思っていました。
でも、実際は検査結果やどの海域で取れているかで決まっているとは知りませんでした。

しかも、一般的には加熱用で売られている牡蠣の方が栄養たっぷり、うまみもたっぷりというのも驚きでした。
でも、間違っても加熱用の牡蠣を生で食べてはダメですよ?

せっかく美味しくいただいたのに、とてつもない苦痛に襲われる恐れ大ですから!

みなさんも、生食用と加熱用の牡蠣の違いをきちんと理解して、ノロウイルスのリスクを抑えながら牡蠣を食べましょう!

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