ノロウイルスはうつる?症状と感染経路を把握して予防・対策!
寒さが深まってくると気をつけたいのがノロウイルスです。
ノロウイルスは11月くらいから増加し始め、12月~1月がピークとなります。
吐き気が強く、嘔吐や下痢を繰り返すことが多いので、とにかくしんどいのがノロウイルスです。
非常に感染力が強いので、家族のうちの誰かがかかってしまうと家族全員がノロウイルスにかかってしまって全滅なんてケースもあります。
また、ノロウイルスは長期免疫が定着しにくいので何度もかかってしまう可能性があるのも怖いですよね。
ノロウイルスに感染しないためには体内にウイルスを入れない以外にありません。
これからの季節をノロウイルスとは無縁で過ごすためにもノロウイルスの対策方法をしっかりと把握しておいてください。
目次
ノロウイルスの特徴・症状
ノロウイルスは1年を通して発生していますが、特に冬の寒い時期の発生が多く、12月から1月がピークとなります。
- ノロウイルスによる急性胃腸炎は嘔気・嘔吐、下痢、腹痛を伴う
- 潜伏期間は半日から2日
- 水様性下痢で2日程度で回復に向かう
- 37〜38℃の軽度の発熱、大人では吐き気や腹部膨満感の症状が強い
- 子どもやお年寄りは重症化に注意が必要
ノロウイルスでは嘔吐を伴うため、脱水症状に陥りやすいです。
脱水症状が進むと腎機能障害、電解質異常などが現れるため、重症化に注意が必要です。
- 排尿回数が減る
- 口の周り・中が乾いている
- ぼーっとする、ふらつく
などの症状がみられると脱水症状が進行している可能性があります。
水分をとっても嘔吐してしまうため、あまりとりたくない気持ちもしますが、脱水症状を防ぐためにもこまめに水分補給をしましょう。
塩分の補給も兼ねて、スポーツドリンクを飲むことも効果的です。
ノロウイルスの感染経路
ノロウイルスの主な感染経路は経口感染ですが、経口感染以外にも感染しうる経路はありますので要注意です。
経口感染
- 汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
- 調理者や配膳者が感染していて、ノロウイルスに汚染された手指が触れた汚染された食材を食べた場合
- ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合
接触感染
- 患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染した場合
飛沫感染
- 家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところで、感染者の嘔吐物が床に飛散した際などに、ノロウイルスの含まれた飛沫を吸いんだ場合
塵埃(じんあい)感染
- ノロウイルスがホコリなどと共に空気中に漂い、口から摂取した場合
どの感染経路も基本的にノロウイルスが口から体内に入ることで感染を起こしています。
経口感染はノロウイルスに汚染されている食材を食べることで起こりますが、その他の接触感染・飛沫感染・塵埃感染についてはノロウイルスに感染した人から出たウイルスに2次感染することで起こります。
接触感染についてはノロウイルスが自分の手などに付着し、それが体内に入ることで感染していますが、飛沫感染・塵埃感染については空気中を漂っているウイルスを体内に取り込んでしまったために起こります。
ノロウイルスの治療方法
残念ながら、ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。
このため、ノロウイルスに感染した場合は、対症療法が行われます。
対症療法で症状を緩和し自然治癒を待つ
疾病の原因に対してではなく、主要な症状を軽減するための治療を行い、自然治癒能力を高め、かつ治癒を促進する療法のこと。
例えば、胃痛を訴える患者に対し、痛み止めだけを服用させるのは典型的な対症療法となる。
ノロウイルスは嘔吐や下痢を伴うため、脱水状態に陥りやすくなります。
このため、ノロウイルスの対症療法としては水分補給を心がけることになります。
つまり、脱水状態にならないようにこまめに水分や塩分などを補給することしかノロウイルスには方法がないということになります。
吐き気止めや下痢止めはNG
ノロウイルスは強い吐き気を伴いますが、これは体内からウイルスを出してしまおうとする反応によるものです。
このため、吐き気止めや下痢止めを服用すると、かえって症状を長引かせてしまうことになるため、使用しない方が良いとされています。
吐き気や下痢が続くのは辛く、体力的にもしんどい部分はありますが、できるだけ早く回復するためにも吐き気止めや下痢止めの服用は控えた方がよいでしょう。
ノロウイルスの予防方法
ノロウイルスの感染経路には経口感染とそれ以外の接触感染・飛沫感染・塵埃(じんあい)感染にわけられることは説明しました。
経口感染の場合はノロウイルスに汚染された食材を食べてしまうことで起こっていますが、それ以外の感染についてはノロウイルスに感染した人からの2次感染となっています。
このため、経口感染ととそれ以外の接触感染・飛沫感染・塵埃(じんあい)感染については予防方法が異なります。
経口感染の予防方法
ウイルスは一般的に熱に弱いという特徴を持っているため、しっかりと加熱処理をすることでウイルスの活性を失わせることができます。
つまり、加熱処理をおこなうことにより、ウイルスとしての作用を失わせることができます。
ノロウイルスに感染する恐れが高い二枚貝は、
- 中心部温度85~90℃で少なくとも90秒以上加熱処理を行う
ことが国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が設立した、食品の国際基準を作る国際機関であるコーデックス委員会が定めたガイドラインに記載されています。
注意してもらいたいのは、85~90℃のお湯に90秒以上つけて茹でればOKではなく、食材の中心部の温度が85~90℃になるまで加熱してから90秒以上キープする必要があるということです。
これはあくまでも加熱処理の目安ですので、食材がどれくらいノロウイルスに汚染されているかで加熱処理の条件は変わってきます。
ノロウイルスにひどく汚染されている食材の場合は特に加熱処理条件を厳しくしなければ食中毒の危険があります。
見た目にはわかりにくい部分ですので、鮮度が悪くなっていて不安な食材は食べないか、特に入念に加熱処理をするなどの対策をとりましょう。
接触・飛沫・塵埃感染の予防方法
接触感染や飛沫感染・塵埃感染の予防方法は2次感染を防ぐための方法となります。
ノロウイルスを体内に入れないことが最善の予防策です。
予防方法にはいくつかポイントがありますのでチェックしてください。
入念に手を洗う
手にノロウイルスがついている状態で食べたり、飲んだりすることで体内へと進入してしまい、ノロウイルスに感染してしまいます。
ですので、しっかりと手を洗うことがノロウイルスを落とす最も効果的な方法です。
- トイレのあと
- 汚物処理やオムツ交換などを行ったあと
特にこの2点を行ったあとは入念に手を洗うようにしましょう。
汚物処理をしている時点で家族にノロウイルスに感染している方がいたり、仕事柄ノロウイルスが付着しやすい方は注意が必要です。
補足ですが、石鹸で入念に手洗いをしたからといって、ノロウイルスを不活化(殺菌)することはできません。
しかし、手についている皮脂などの汚れをしっかりと落とすことができるため、皮脂に付着しているノロウイルスを洗い流すことができます。
このため、手洗いはノロウイルスの予防として効果的なんです。
インフルエンザ予防・対策についての記事でもまとめています。
手の洗い方についてはノロウイルスに汚染されている可能性のある物・部分を除菌する
ノロウイルスを除菌=不活化するための方法としては、
- 加熱処理をする
- 次亜塩素酸ナトリウムで浸す・拭く
この2点があります。
加熱処理をする
加熱処理はノロウイルスが付着している可能性のある調理器具や食器などに有効です。
- まな板
- 包丁
- ふきん
- スプーンなど加熱可能な食器
これらについては85~90℃の温度で90秒以上の加熱処理を行うことでノロウイルスの不活化ができます。
二枚貝などの加熱処理と同じと覚えておいてもらえれば大丈夫です。
もっとも簡単な除菌方法なので加熱温度と時間だけしっかりと覚えて実践してください。
次亜塩素酸ナトリウムで浸す・拭く
次亜塩素酸ナトリウムは医療機関でも使用されている除菌剤で即効性があります。
短時間で成分が揮発して、残留性もほとんどないため安全面でも優れています。
病院では低濃度で哺乳瓶の消毒にも利用されているくらいです。
- まな板
- 台所回り・水回り
- テーブル
- トイレの便座
- ドアノブ
これらの部分については次亜塩素酸ナトリウムによる除菌が適しています。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムの注意点としては金属製品に対して腐食性が高いことです。
あまりにも高頻度で金属製品に対して使用すると劣化の原因にもなります。
ドアノブなど劣化が気にならない部分や、使用後の後仕上げに使用するなど使用回数に気をつけましょう。
ノロウイルスの除菌対策についてはこちらの記事もよく読まれています。
嘔吐物・下痢などの処理はマスク・手袋を着用する
家族がノロウイルスに感染した場合や仕事の都合上、嘔吐物などの処理に係る機会がある場合は、マスク・手袋を着用して処理しましょう。
嘔吐物などの処理は乾燥してしまう前に済ませ、塵埃(じんあい)感染のリスクを減らしましょう。
処理が終わったら次亜塩素酸ナトリウムにて拭きあげてノロウイルスを除菌します。
こうすることで飛沫感染や塵埃(じんあい)感染のリスクを下げることができます。
まとめ
ノロウイルスの症状や感染経路、そしてノロウイルスに感染しないための予防方法も理解できたかと思います。
これからの季節はノロウイルスに感染するリスクがとても高くなります。
ひどい吐き気や下痢に悩まされるノロウイルスにはできれば感染したくないですよね?
知識があれば予防も対策もできます。
今年の冬はしっかりとノロウイルス対策をして、ノロウイルスとは無縁の生活を送れるようにしましょう。
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