A型・B型どちらにも効果のある錠剤タイプの抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」が製造認可されました!
今年も大流行しているインフルエンザ。
私の周りは順番にインフルエンザに罹っている感じなので、私の順番が回ってこないことを祈っているんですが、インフルエンザの治療薬として塩野義製薬のゾフルーザが製造許可をもらったようです。
まぁ、製造許可をもらっただけでまだ販売されていないので今年のインフルエンザの治療には間に合いません。
だから、私の番が来てもらっては困るのです。(笑)
今後の流れとしては薬価が決まって春先くらいには販売開始となるみたいです。
ハッキリとした情報は流れていませんので断定はできませんが、今年の冬には販売されているでしょう。
抗インフルエンザ薬としてはタミフルなどよりもいいところが多いみたいなのでチェックしておきましょう!
目次
新しく承認された抗インフルエンザ治療薬のゾフルーザとは?
塩野義製薬から販売されることになるゾフルーザは一般名称:バロキサビルマルボキシルといいます。
なんか呪文みたいな名前ですね…
ウイルスを感染細胞表面から遊離させるノイラミニダーゼの働きを阻害するノイラミニダーゼ阻害薬(タミフルやリレンザなど)とは異なり、細胞内でのキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害することで、ウイルスのmRNAの複製段階においてその複製を阻止する。
ノイラミニダーゼ阻害薬と比べ早期に効果があるため抗ウイルス効果が高いとされ、投与翌日には半数以上の患者で感染性を持つウイルス量が減っていることが認められた。
<参照:ウィキペディア>バロキサビルマルボキシル>
ウィキペディアによると、ゾフルーザはタミフルなどに比べて早期に効果が期待できる薬となります。
投与翌日には半数以上の患者さんで感染性を持つウイルス量が減っていることが認められているので、即効性は期待できるようですね。
どれくらい減ったのかはわかりませんが、感染性を持つウイルス量が減っているということは家庭内でインフルエンザが蔓延することも防げるかもしれません。
ゾフルーザのメリット
インフルエンザの新しい治療薬として期待されるゾフルーザですが、今までの治療薬と比べてもメリットが多くなっています。
A型とB型のインフルエンザの治療薬として効果がある
インフルエンザの予防接種はA型とB型のどちらにも効果があるのではなく、予防接種した方のタイプに効果があります。
ただし、予防接種していない方のタイプが流行した場合には予防接種の効果はかなり下がってしまいます。
タイプが違ったら効果がないというわけではなく、効果が弱まるという認識が正しいようです。
また、予防接種したタイプと同じタイプのインフルエンザが流行したとしても100%防ぎきれるわけではなく、免疫状態などによってはインフルエンザに罹ってしまう可能性があります。
しかし、予防接種していれば重症化を防ぐことができるメリットがあります。
つまり、インフルエンザの予防接種をしたからといってインフルエンザに罹らないわけではないんです!
だから、どちらのタイプのインフルエンザに罹っても効果のあるゾフルーザは画期的な治療薬なんですね。
1回の服用だけで効果がある
一昔前はインフルエンザの治療薬といえばタミフルでしたが、タミフルの場合は服用期間が1日2回-5日間となっているため、服用期間が長いことがデメリットでした。
しかも、症状が治まっても5日間飲み切らなければ十分な効果が期待できないことも患者さんにとっては負担でした。
あとはタミフルといえば幼い子供の場合は異常行動の恐れもあったりするので、親としてもあまり使いたくない薬です。
塩野義製薬のゾフルーザは1回服用するだけで効果を発揮します。
しかも、錠剤タイプなので飲みやすいです。
タミフルに比べるとかなり使いやすそうですね!
インフルエンザの予防対策についてはこちらもよく読まれています。
インフルエンザにも効果があるクレベリンについてはこちらも参照ください。
ゾフルーザは先駆け審査指定制度の対象となっている
これまで、海外では承認されていても国内では承認されていない未承認薬・適応外薬を解消するため、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)の審査員の増員を通じて審査期間の短縮を図るとともに、学会等からの要望に基づき、医療上の必要性を評価した上で未承認薬・適応外薬の開発要請を通じてこれらの解消に努めてきたところです。
本制度は、今般、この考えを更に推し進め、患者に世界で最先端の治療薬を最も早く提供することを目指し、一定の要件を満たす画期的な新薬等について、開発の比較的早期の段階から先駆け審査指定制度の対象品目(以下「対象品目」という。)に指定し、薬事承認に係る相談・審査における優先的な取扱いの対象とするとともに、承認審査のスケジュールに沿って申請者における製造体制の整備や承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで、更なる迅速な実用化を図るものです。
この制度では、原則として既承認薬と異なる作用機序により、生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して、極めて高い有効性が期待される医薬品を指定することとします。また、本制度はPMDAにおいて指名される審査パートナー(以下「コンシェルジュ」という。)を選任して、厚生労働省及びPMDA内部の関係各部との連携を強化するとともに定期的な進捗管理を通じて開発の迅速化を可能とし、新たに整備される相談の枠組みを優先的に適用し、かつ優先審査を適用することにより、審査期間を6ヶ月まで短縮することを目指します。
※ 平成27年度は、試行的な取組みとして実施を行います。
<参照:厚生労働省>先駆け医療審査指定制度>
ゾフルーザが厚生労働省に申請されたのは2017年10月で、2/23に製造販売を承認されています。
通常は申請から承認まで1年ほどかかるといわれており、今回の4カ月というスピード承認はこの先駆け審査指定制度のおかげといえます。
今年はワクチン不足で予防接種を受けられていない方も多かったですし、こういった治療薬がスムーズに承認されるための制度はかなり嬉しいですね。
ゾフルーザの懸念事項
新しく製造販売が承認されたばかりのゾフルーザですが、懸念事項は2つ。
1つはまだ副作用についての情報がよくわかっていません。
調べてみてもでてきませんので、一般の方ではまだ十分に知ることができないということ。
タミフルの例があるから、なにか副作用があるんじゃないかと不安になりますよね!
情報収集はしっかりと行って、患者側もリスクについてはしっかりと把握しておきたいですね。
2つめは薬価が決まっていないこと。
きっと高額な薬ではないと信じたいところですが、ちょっと悩んでしまうような高額な薬にはならないことを祈りたいです。
ゾフルーザの薬価が決定(2018/3/18追記)
3/14にゾフルーザの保険適用が決まり、ゾフルーザの薬価も決まりました。
- ゾフルーザ錠10mg:1507.5円
- ゾフルーザ錠20mg:2394.5円
薬価なので、保険適用前の価格がこの金額になります。
服用量は12才以下で体重15kg以下の子供の場合は10mgを1錠、12才以上で体重40kgから60kgの大人の場合は20mg×2錠となります。
- ゾフルーザ錠10mg:452.25円 ※12才以下の子供向け負担額目安
- ゾフルーザ錠20mg:718.35円
- ゾフルーザ錠20mg×2錠:1436.7円 ※12才以上、40kg~60kgくらいの大人向け負担額目安
負担額の目安は、自治体が行っている子供向けの医療費補助などは考慮していませんので、実際にはもう少し負担額が安くなるケースもありそうです。
タミフルの薬価は2830円(保険適用前)なので、ゾフルーザの方が割高になっていますね。
しかし、ゾフルーザは1回のみの服用で効果があり、インフルエンザウイルスの増加を防ぐ即効性も持っていますので、高齢者の方など体力が衰えてきている方には効果が高いのではないでしょうか。
まとめ
錠剤タイプの抗インフルエンザ治療薬ゾフルーザは1回の服用で効果を発揮する、以前の抗インフルエンザ治療薬よりもとても使いやすい薬に仕上がっているようです。
今年のインフルエンザシーズンには間に合いませんが、年末からの寒い時期にかけてインフルエンザ治療薬としてがんばってもらいたいですね!
まだまだ、販売許可が下りたばかりの新薬なので、これからも情報収集していきたいと思います。
インフルエンザの予防対策についてはこちらもよく読まれています。
インフルエンザにも効果があるクレベリンについてはこちらも参照ください。
この記事が役に立ったと思ったらSNSでシェアしていただけるとうれしいです。
最近のコメント